チャプター 235

ニコル

ニコラスは鷹のように、ニッキーとケビンから片時も目を離さなかった。私たちが何の映画を観たかなんて、彼には分かっていないんじゃないかしら。私としては、うまくいったと思う。もしケビンがニッキーの肩に手を回そうものなら、ニコラスが爆発するんじゃないかと心配していたけれど、少なくともケビンが何もしようとしなかったのは幸いだった。映画が終わると、子供たちが先に歩き出し、ホワイエで私たちを待っていた。「それで、映画どうだった? 最高だったでしょ?」ニッキーはまくし立てた。「ええ、ニッキー、よかったわよ」。哀れなケビンが口を挟む隙もないほど彼女はしゃべり続けていた。そんな彼にニコラスが尋ねた。「ケ...

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