第二十四章

ニコラス

「どうしたの?」SUVに乗り込むと、ニッキーが尋ねてきた。「お前を連れ出しに来たんだ」「学校の時間中に? 校長先生が許可するなんて、何か緊急事態でもあったの?」「ああ、ちょっと嘘をついたんだ。緊急事態だって伝えたけど、本当はただ、俺の可愛い娘とブランチに行きたかっただけさ」「でも、それなら土曜日でもよかったじゃない」「おチビちゃん、お前と二人きりで出かけたかったんだ。でもその前に、そんな格好じゃダメだな。どこに寄って、何か新しい服を買ってやろうか?」「どこがいいか、もう分かってるくせに」答えは分かっていたが、それでも彼女の口から聞きたかった。「H&Mに行ってもいい?」「もちろんさ」...

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