チャプター 252

ニコラス

ルーサーの顔に浮かんだ笑みを見た瞬間、そのニュースが真実だと悟ったが、それでも俺はあえて訊かずにはいられなかった。

「本当なのか?」

「ああ、本当だ。今朝電話があったよ。確か6時頃だったかな、俺はまだジムにいた。俺が二人を引き合わせた張本人だから、直接俺に伝えたかったらしい。互いに本気で惚れ合ってしまって俺を失望させるのは分かっているが、理解してほしいと言っていたよ」

「それで?」

「言ってやったさ。お前たちがニコルと俺の間に入ってこなくなるのは非常に残念だが、二人のことは祝福する、誰にだって愛される資格はあるからな、とな。クソッ、俺の言い草を聞かせてやりたかったぜ。まるで本物のロ...

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