チャプター 257

ニコル

プラザホテルへ向かう道中、私はずっと祈っていた。結婚式をキャンセルした人たちが、どうかセンスのいい人でありますように、ううん、せめてまともなセンスの持ち主でありますようにって。できるだけ早く結婚したいと思っていたし、裁判所でだって構わないと言ったのは分かっている。でも、プラザホテルで挙げられることになったからには、せめて最高に素敵な式にしたい。ニコラスが言ってくれたように、これが私たちにとって最初で最後の結婚式なのだから。

ジェフリーがプラザホテルの正面に車を停めると、ハーマンがさっと飛び出してきて、私のためにドアを開けてくれた。ニコラスはSUVを回り込んできて私の腰にそっと手を添え...

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