チャプター 281

ニコラス

俺は会場の外に立ち、中へ入ってくる招待客一人ひとりに挨拶をしていた。この人たち全員が、俺の人生で最高の一日を目撃することになるんだ。最後の一人が入っていくと、ルーサーが俺の方へやって来て言った。「時間だ」と。俺たちは司祭が待つ正面へと歩いて行った。ルーサーと俺が振り返ってドアの方を見つめていると、ニコルと俺の曲――クリスティーナ・ペリーの『ア・サウザンド・イヤーズ』が流れ始めた。ニッキーがピンクのドレスをまとい、綺麗にセットされた髪でバージンロードを歩いてくるのを見た途端、俺はもうこらえきれなかった。涙が溢れ出したんだ。ルーサーがハンカチをくれて、囁いた。「まだ花嫁本人じゃないぞ」...

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