チャプター 63

ニコラス

ニッキーの学校まで車を走らせた。ニッキーは窓に顔を押し付けて外の景色を眺めている。俺は自分のスケジュール帳に目を落とし、今日の予定と、仕事を早めに切り上げてジェフリーと一緒にニッキーを迎えに来られるかどうかを確認するのに忙しかった。学校に近づくにつれて、ニッキーは手をもじもじと動かし始めた。この一週間で気づいたのだが、彼女は緊張するとそうする癖がある。

「どうしたんだい、スイートピー?」

「なんでもない」

彼女は、もう訊かないで、と言わんばかりの口調で言った。だが、俺はまだ父親としては新米だ。だからもう一度訊ねた。

「スイートピー、お互いに嘘はつかないって約束しただろう」

「わかっ...

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