チャプター 79

ニコル

家に着くと、ニッキーはすぐにイザベラのもとへ向かった。いつものコーヒーを淹れてもらうためだ。イザベラがコーヒーを淹れ、ニッキーが最初の一口をすする光景には、いつも笑みがこぼれてしまう。私はリビングルームへ歩いていき、床から天井まである窓のそばに立った。ニューヨークの街並みを見下ろしながら、ニコラスに電話をかける。「もしもし、ニコル? 無事か?」「ええ、家に着いたわ。でも、学園長がこの騒ぎが収まるまでニッキーを学校に来させたくないみたい」「待て、何だって?」「父と娘のダンスパーティも参加させないつもりだったのよ。でも私が止めたの。ニッキーがすごく楽しみにしてるのに、あの子からそれを取...

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