第九十二章

ニコラス

夕食後、俺たちは学校へと向かった。到着して俺が目にした光景に、度肝を抜かれた。学校は総力を挙げているようで、レッドカーペットまで敷かれていた。そしてもちろん、パパラッチの姿もある。「すごいな、ニッキー。これって毎年やってるのかい?」「ええ」彼女は悲しそうに言った。「どうしてそんな悲しい顔をするんだ?」「ママの看護師の友人たちとレッドカーペットを歩くのは変な感じだったの。だって、どう見ても私のパパじゃなかったから」「それなら、今夜は笑顔でいられるさ。俺が君のパパなんだからな」「うん。でも、外にいるあの人たちにも、そう見えるかな?」彼女はパパラッチを指さして尋ねた。「ニッキー、俺の顔を...

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