第九十七章

ニコラス

「クソ、クソ、クソッ」。ニコルはベッドから飛び起きてバスルームに駆け込みながら悪態をついた。「すぐ行くよ、おチビちゃん」。俺はそう言ってみた。ウォークインクローゼットに駆け込み、スウェットパンツとTシャツを掴む。「俺のTシャツ、着てろよ」俺はニコルに言った。「ふざけないで、ニコラス。もし聞かれてたらどうするの」「落ち着いて服を着るんだ。俺が先に出て様子を見てくる」。ドアに向かって歩き出す。言うまでもなく、俺の興奮はあの恐怖で消え失せていた。子供にドアをノックされるほど萎えさせるものはない。ドアを開けると、床の真ん中にニッキーが立っていた。ひどい顔をしている。俺は考える間もなく彼女を...

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