第4章

 旧図書館を出てから十二時間も経たないうちに、差出人不明の暗号化メールが、するりと私の受信箱へ滑り込んできた。送信者名は一語だけ――ファントム。

 ゾーイは約束どおり金を受け取り、文字どおり環境を総入れ替えして、最高級の機材を一式そろえていた。その仕事の速さは、私の想像すら上回っている。

 だが、最初に届いた通信監視のデータに入っていたのは、点みたいに散った会話ログが数本だけだった。レイシーとランドンは抜け目がない。使っているのは、閲覧後に自動消去される暗号化アプリ。ゾーイが救い出せたのは、ほんのわずかな残骸にすぎない。

 それでも――十分だった。

 情報によれば、二人は来たる学校の...

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