第6章

 私は当初、レイシーをもうしばらく偽りの勝利に酔わせておくつもりだった。彼女が頂点まで登り切ったところで、表に出せない秘密ごと一気に焼き尽くす――そういう算段で。

 だが、私の「良き兄」スペンサーには、どうやらそんな忍耐は欠片もない。

 ダンスパーティーの夜、私を陥れ損ねた挙げ句、上流階級の招待客と警官の目の前で苦い結末を飲み込まされた。面子を潰された屈辱が、彼を一刻も早く「取り返す」方向へと駆り立てたのだ。

 報復は予想より早く、そしてあまりにも露骨だった。

 捏造で私を牢に放り込めないとなると、今度はケンドリック家の権勢を露骨に振りかざし、資金源と進学の道を断って私を社会的に抹消...

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