第7章
カシウスは金庫の前に立っていた。乾ききった血が、まだこぶしにこびりついている。
「開けるのは三日待って」
エヴリンの声が、頭の奥で反響した。
カシウスの呼吸が荒くなる。手を上げ、テンキーに数字を叩き込んだ。
彼女の誕生日だった。
カシウスは中央に鎮座する箱をつかみ取る。
顎をきつく噛みしめ、ふたを跳ね上げた。
ベルベットのクッションの上にあったのは紋章――モレッティ・ファミリーのドナという身分を示す証だった。
指輪の下には、ぴしりと押しつぶされたように、几帳面に折り畳まれた数枚の紙。
彼はそれを引き抜き、ばさりと広げた。
離婚合意書だった。
カシウスは、大槌で胸を叩き割...
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