第8章

イザベラ視点

 寝室の窓から、ギデオンの車が正門前に停まるのを見下ろしていた。

 彼が車から降りてくる。ここからでも、彼がどれほど酷い顔をしているかが見て取れた。

 警備員たちが即座に動き、彼の行く手を阻む。

 私はカーテンを戻し、窓から背を向けた。

「ヴァレンティーノ様、モレッティ様はまだ外に……」

 確認していた契約書から顔を上げる。入り口にはアシスタントが立ち、居心地が悪そうにしていた。

「それで?」

「もう十二時間が経過しています。警備員たちが、彼を排除すべきかどうかと……」

「いいえ」私は再び書類に視線を落とした。「そのままにしておいて」

「ですが、ヴァレンティ...

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