第107章

ハンナ

レオナルドははっと顔を上げ、漆黒の瞳で私を射抜いた。その激しさに、息が喉の奥で止まる。彼は大股で三歩、あっという間に部屋を横切り、ソファに座る私の前に立った。見上げるしかないほどの威圧感。伸びてきた手が私の顎をつかみ、顔を無理やり上へ向けさせる。

「気をつけろ」

唸るような声だった。しかも、危うい低い囁きへと沈んでいく。

「次に何を言うか、本当に……くれぐれも気をつけるんだ」

心臓が肋骨を打ちつけるように激しく脈打つ。顎をつかむ指は痛いほどではない。けれど、逃れられないだけの強さがあって、その鋭い視線から目を逸らすことはできなかった。

「そんなつもりじゃ――」

「いや、そ...

ログインして続きを読む