チャプター 11

レオナルド

数分前――

ハンナが化粧室のほうへ去っていくのを、俺は目で追っていた。一歩進むたびに腰が揺れ、黒いドレスはその曲線にぴたりと沿っている。視線を引きはがすことなど、とてもできなかった。

その姿が見えなくなった瞬間、俺はようやく満足げに口元をゆるめた。二万ドルなど俺にとっては端金だ。だが彼女にとっては、人生を変える額だった。金額を口にしたときのあの目を見れば、それは明らかだった。

こういう取り決めの場に来る女の多くは、どこか作り込まれている。作り物めいた笑い声、計算ずくの身のこなし、そして俺から何を引き出せるかを絶えず値踏みする目。

ハンナは違った。剥き出しで、飾りがなかった...

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