第115章

レオナルド

ハンナのアパートのドアを閉め、廊下を歩きながら足音の間合いを整えるように刻んだ。建物はくたびれていた。壁の塗装はところどころ剥げ、照明はちらつき、誰かが焦がした夕食の匂いがかすかに空気に残っている。普段、俺が出入りする清潔無垢な環境とはまるで違う。

縁石のそばで俺の車が待っていた。艶やかで、この界隈には不釣り合いだ。運転席に滑り込み、オースティンにハンドルを握らせず自分で運転できる稀な時間を噛みしめる。レザーシートが身体を受け止め、エンジンをかけると低い唸りが返った。胸の奥に居座った嫌な感覚に対して、その音だけが心地よい対比になった。

ロバート・ミッチェル。縁石を離れると同時...

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