チャプター 168

ハンナ

彼のあとを追って専用エレベーターへ向かった。コンクリートの床を打つハイヒールの音が、からん、からんと響く。人気のない駐車場にその音が反響して、私はひどく落ち着かなかった。レオナルドが誰かに狙われていると知った今、その延長で自分まで標的になりかねないと思うと、どの影にも潜む脅威があるように見えた。

「静かだな」

彼はそう言って、上へと切り替わっていくデジタルの階数表示から目を離さなかった。

「頭の中で整理してるだけ」

私は先ほどと同じ言葉を返した。

「いろいろありすぎた夜だったもの」

彼がこちらを向く。表情は真剣そのものだった。

「ハンナ、これからは気をつけてほしい」

...

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