第171章

ハンナ

思わず笑ってしまった。「ほんもののイタリアの名所の写真を送るって、約束する」

「そうしてよね。それと、今日の午後は病院で会うんでしょう?」

「うん。三時ごろには行く」

「完璧。お母さんが好きな、大学の近くのあのパン屋のクッキーを持っていくから」

「最高だよ、エム」

「知ってる。それじゃ、イタリアへ行く支度、楽しんでね。あと、気をつけて。いい?」

私はつばを飲み込んだ。「いつだって気をつけてる。またあとでね」

通話を切ってスマートフォンをテーブルに置き、すっかりぬるくなったコーヒーをもうひと口すすった。穏やかな朝は、私の人生の混沌とひどくちぐはぐだった。シュガーダディ、病院の請求書、大...

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