チャプター 191

ハンナ

私たちはギャラリーをひと回りし続け、小さな青銅の裸婦像の前で足を止めた。その作品は息をのむほど美しく、女性の身体を、我を忘れた一瞬のうちに見事にとらえていた。

「君を思い出すな」レオナルドが囁いた。耳もとにかかる吐息はあたたかかった。「絶頂に達する直前、背中に浮かぶあの曲線とそっくりだ」

頬がかっと熱くなり、誰かに聞かれていないか確かめるように私はあたりを見回した。「サルヴァトーレさん……」半ば呆れ、半ば昂ぶりながら、私は小声で言った。

「街の案内を続けよう。夕食の前に、もうひとつ君に見せたい場所がある」そう言ってレオナルドは私の腰にそっと手を添え、ギャラリーの外へ導いた。

...

ログインして続きを読む