第二十二章

 ハンナ

 夜は穏やかに更けていった。エマはバーテンダーの仕事で出会ったあれこれを面白おかしく語り、母は読書会で仕入れてきた噂話を披露する。久しぶりに、普通だった。ずっと失われていた種類の安定が、そこにはあった。

 夕食のあと、文句を言う私をよそに母が片づけを続けている間、エマは私の寝室へ引っぱり込み、扉を閉めた。

「さあ、吐きな」ベッドにどさっと倒れ込みながら言う。「仕事の本当のところ、どうなの?」

 私はため息をつき、隣に腰を下ろした。「ほぼ言った通り。応募は山ほど、返事はゼロ」

「話してたデザインのインターンは?」

「無給」顔をしかめて答える。「しかもフルタイム。他で働けない...

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