第7章

奏介視点

 二日。

 俺が集中治療室から追い出され、美咲が煙のように姿を消してから二日が経った。

 俺はロイヤルホテルの最上階にある披露宴会場、その新郎控室に立ち、七度目となる時計の確認をした――午前十一時二十分。

 あの翌朝、病院へ駆けつけた俺が聞かされたのは、彼女が早朝に自ら退院してしまったという事実だった。俺はあらゆる場所を探し回った。彼女のマンション、彼女の実家、彼女が愛した書店……。だが美咲のお母さんは、氷のように冷たく言い放っただけだった。「彼女はあなたに会いたくないって」

「式は予定通り行うと伝えてくれ」俺は咲良おばさんに告げた。「チャペルで待っているから」

 咲良...

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