第152章

「行くのか? 俺を置いて?」彼の声は、その言葉でひび割れた。「駄目だ! そんなことしたって何にもならない! あんたに責任を押し付けようって気があるならまだしも――そんな気はこれっぽっちもない、絶対に、永遠にないんだ――あのビデオには俺の顔と声だって映ってる。はっきりと、欲情丸出しで、あんたに求められるのを楽しんでる姿が」

ああ、彼は分かっていない。そんなにも確信に満ちた、反抗的な声で言わないでほしかった。これから俺がしようとしていることが、十倍も辛くなる。

「誰にも君を責めさせないようにできる」俺は静かに彼に告げた。「真実を捻じ曲げて、別の何かに見せかける。俺が……君に無理強いした、という...

ログインして続きを読む