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アメリア

評議会の建物は、まだ血の匂いがした。

石の壁が何度磨かれようと、ケインが空気を浄化するためにどれだけ火を焚かせようと、深く息を吸い込むと、まだあの金属めいた味がした。その匂いは床板にこびりつき、何世紀にもわたって布告が叫ばれ、囁かれてきた裂け目にまで染み込んでいた。

シャドウファングの群れはすぐに気持ちを切り替えたけれど、私にはできなかった。中へと続く彫刻の施されたアーチを通り過ぎるたび、私のストームウィーバーの感覚が、まるで石そのものが嘘をついているかのように疼いた。石に嘘をつく理由などない。

評議会にはあった。そして私は、その理由が知りたい。

今の私はルナだ。群れは私を受け入...

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