第103話

アリア視点

意識がゆっくりと戻ってくるにつれ、体が動かないことに気がついた。ぼやけた視界の中で少しだけ目を開けると、そこが薄暗く、じめじめとした部屋であることだけはすぐにわかった。

ここがどこなのか見当もつかない。周囲を見回そうとしたが、何やら黒くて粘り気のあるものが片目を覆っていた。

頭を後ろに引いてみると、自分が立った状態にあることに気づく。だが、手足は動かせない。揺すって動かそうとすると、ジャラリという金属音が響いた。

顔を上げると、自分がこの場所の壁に鎖で繋がれているのが見えた。辺りを見回しても、誰の姿もない。

突然、トリカブトの臭いが鼻をついた。だから鎖を引きちぎることがで...

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