第15話

タイラー視点

俺はドアの前で、まるで凍りついたように立ち尽くしていた。あの戦士の言った通りだった。目の前の光景など見たくなかった。パーカーが床に座り込み、意識を失ったテッサを腕に抱えている。彼がかけた毛布の下から、血が滲み出していた。いや、血はいたるところにあった。パーカーにも、テッサにも、彼女のベッドにも、床にも。どこもかしこも血まみれだった。

俺の中の狼が脳内で遠吠えを上げた。何が起きているのかを自覚するよりも早く、俺の足は部屋の奥へと踏み出していた。瞳が漆黒に染まる。俺の中の狼が主導権を握り、支配したのだ。俺がテッサに近づいた瞬間、パーカーが後ずさりした。彼はすでに番(つがい)を見つ...

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