第16話

「それで、戦争をするということか?」カーターが尋ねた。

「奴らがやったことは戦争行為だ。報復しなければ、俺たちは弱腰だと見なされる。誰だって、いつでも好きな時にここへ土足で踏み込み、俺たちの女を犯し、刺してもいいと思うようになるだろう。そんなことは絶対にさせない。俺がこの群れを率いている限りはな」と、俺は宣言した。

「裏切り者が誰なのか、突き止める必要があるな」ケイドが言った。

「ああ、それが問題だ。一体どこのどいつが、あのクソ野郎どもを招き入れたんだ? テッサをそこまで憎んでいるのは誰だ?」俺は問いかけた。

「思い当たる人物は一人しかいない」とカーター。

「ああ。俺も同じ奴が頭に浮...

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