第17話

タイラー視点

敵軍が迫りくる中、視認できたのはこちらの哨戒部隊だけで、はぐれ狼たちは境界線のすぐ向こう側で足を止めた。俺の部隊は集結して奴らを睨みつけたが、意思の疎通などできるはずもない。先に身を低くし、牙を剥き出しにしたのは、はぐれ狼たちのほうだった。

奴らは圧倒的に数で劣る俺の哨戒部隊に向かって突撃してきた。だが、奴らが境界線へ足を踏み入れた瞬間、待ち構えていた本隊が一斉に飛び出し、轟音と共に激突した。まさか俺たちが迎撃準備を整えているとは思っていなかったようで、即座に撤退する者もいた。だが大半は、最後の息絶えるまで戦い抜く構えを見せた。

群衆をかき分けて戦う三匹の大きな狼、そしてそ...

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