第29話

号令を下し、俺たちは一斉にパックハウスへと押し寄せた。だが、またしてもガラス戸を突き破り、祝宴を台無しにする役回りは俺のものだ。悲鳴が上がり、人々は俺から後ずさりする。俺は牙を剥き出しにした。レイチェルは、自分を守ってくれると期待している男たちの背後に隠れていた。いかにもレイチェルらしい。その直後、正面玄関が粉砕され、同時に一階の窓や他のドアも破られた。

配下の狼たちが舞踏室になだれ込み、敵を包囲した。これほど早い襲撃は予想していなかったようだ。それは明らかだった。少なくとも、俺はそう思っていた。だが、脇腹に鋭い痛みを感じた。振り返ると、麻酔ダーツが突き刺さっているのが見えた。

レイチェル...

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