第40話

タイラーは人間の町から保安官を呼び寄せた。やってきたのは、ひどいビール腹の中年男で、筋肉隆々の人狼たちに囲まれると、その姿はいささか見劣りするものだった。

「誰かはわからん。身分証も持っていなかった」現場に近づきながら、タイラーがミラー保安官に言った。

「ああ、こいつか。ドニーだな。知ってるよ。署の留置場じゃ常連だからな」保安官は言った。

「まあ、何をしたにせよ、こんな死に方をする理由はない。うちの検視官はもう見た。死因は鈍器による外傷、死後およそ六時間とのことだ」タイラーが説明した。

「感謝するよ。もちろん、正式な記録のためにこちらの検視官にも見せる必要がある。それと、遺体をパックの土地か...

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