第46話

タイラー視点

「テッサ」

俺は声を弾ませながら寝室に入った。彼女に何もするなと禁じたのは、確かに言い過ぎだったかもしれない。だが、彼女は父親を捜すという自殺行為同然の任務に出ようとしていたのだ。そんなことをさせるわけにはいかない。吸血鬼や魔女たちが彼女を狙っている状況ではなおさらだ。

しかし、部屋に入ると彼女の姿はなかった。バスルームも覗いてみたが、そこも空っぽだった。俺は階下のバーエリアへと戻った。そこには仲間たちがたむろしていた。

「誰かテッサを見なかったか?」俺は尋ねた。

「二、三時間前に二人が喧嘩して以来、見てないわよ」アリアが言った。「言っとくけど、あんた最低だったわよ」

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