第47話

電話を切ったあと、俺はただそこに座り込み、時が過ぎるのを待った。一分一秒が経過するごとに、苛立ちと動揺、そして不安が同時に押し寄せてきて、胸が張り裂けそうになる。だが午後九時を回り、ニューオーリンズ行きの便が離陸する時間になっても、彼女が現れる気配はなかった。

俺は立ち上がると車に乗り込み、今来た道を戻り始めた。

一晩中かけて、道沿いにあるすべてのモーテルやホテルに立ち寄り、彼女が宿泊していないか確認して回った。しかし、返ってくる答えは決まって「見ていない」というものだった。彼女のような容姿の女性なら、記憶に残らないはずがないというのに。

ある薄気味悪い男が、テッサの写真を見てだらしなく鼻の...

ログインして続きを読む