第48話

タイラー視点

どれくらい時間が経ったのかわからない。だが意識が戻り始めると、自分が立ったまま縛り上げられていることに気づいた。場所はわからない。視界はぼやけているが、周囲の騒音ははっきりと聞こえる。そこら中に人がいて、大音量の音楽が鳴り響いている。まるで俺のすぐそばで巨大なパーティーが開かれているようだった。

ゆっくりと目を開け、こっそりと辺りを窺う。どうやらまだ同じ屋敷の中にいるらしく、周りはヴァンパイアだらけだった。パーティーに興じるヴァンパイアたち、人間に噛みつくヴァンパイアたち、そして自ら血を差し出す人間たち。ヴァンパイアの取り巻きどもだ。胸糞が悪い光景だ。一人が近づいてくる気配が...

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