第49話

テッサ視点

ニューオーリンズに到着するとすぐにタクシーを拾い、この街では公共の観光名所にもなっている墓地へと向かった。

私はツアー客のルートから外れた場所にあるアンドレス家の霊廟へ行き、日が沈むまでその中で座って待つことにした。

「何かご用かな?」背後からイギリス訛りの声がした。

急いで振り返ると、彼は私を見て奇妙な顔をし、実際に私の姿を認めるなり数歩よろめいた。

「まさか。そんなはずはない」と彼は言う。

「喜んでくれると思ったのに」私は言った。

「君のシャツを見つけたんだ。血がついていた。アディソンの血もだ」

「ダニエルが、あなたに見つけさせるために仕組んだのよ。ママが私を連...

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