第54話

タイラーと私は屋敷を出て道を下り、カフェに入って食事を注文し、テーブルについた。

「服屋にも寄らなきゃいけないかも。もう何日も同じ服を着ているし」と私は言った。

「俺も同じことを考えていた。俺もそうだからな。二人とも、そこまで気が回ってなかったってわけだ」と彼が言う。

「バッグは持ってきたんだけど、墓地に置いてきちゃったの。そこで初めてアンジェロに会ったから。彼の一族の地下聖堂でね」

「うわ、全然不気味じゃないな」タイラーが言った。

「でしょ?」私は笑って答える。

「吸血鬼と出会う場所としては最高だな」

食事を終えると、私たちはすぐ近くにある衣料品店に向かった。私は店内の棚を見て...

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