第59話

「私たち、ここに閉じ込められたの?」彼が得意げな顔をしているのを見て、私は呆然と尋ねた。

「こうするしか、君をここに留めておく方法はないとわかっていたからね。少なくとも、君が自分の意志で残ると決めるまでは」彼はそう答える。

「タイラー。結界の外に出てみて。戻ってこられるか確認して」私はアンジェロから目を離さずに言った。タイラーは結界越しに手を伸ばして私の手を掴み、そのまま後ろへ下がって外に出た。

「君を伴侶から引き離すつもりなんて、最初からなかったさ」アンジェロは心外だというように言う。

「はん、あんたが何をしでかすかなんて、もう信用できるわけないでしょ?」

「それは傷つくなあ。ただ...

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