第67話

翌朝、屋敷の空気は少し張り詰めていた。アンジェロとその兄弟たちは一睡もせず、私たちが出発の準備を整えるまでずっと屋敷の中で付き添ってくれた。彼らは私たちの身を案じていたのだ。いや、少なくとも私のことは、と言うべきか。彼らが狼たちのことなど大して気にかけていないのは分かっている。だが私は彼らと血の繋がった身内だ。だからこそ、心配してくれているのが痛いほど伝わってきた。

彼らのほとんどは、片時も私のそばを離れようとしなかった。正直なところ、自分のことを心から気にかけてくれる家族がいるというのは素敵なことだった。なんだかこそばゆいような、不思議な感覚だ。

私がリビングルームでアンジェロ、イライア...

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