第76話

テッサ視点

私は部屋の隅に追い詰められ、壁に縫い止められていた。魔女の怒りに呼応して白から赤へと変色した電流の束によって。私は自分でも信じられないほどの声量で絶叫した。その痛みは、筆舌に尽くしがたいものだった。

私はなんとか一度だけ深く息を吸い込むと、魔女に向かって手を掲げた。作り出した火球を瞬時にガラスへと変化させ、全速力で彼女の顔面めがけて撃ち放つ。

顔に突き刺さったガラスを取り除こうとして、彼女の拘束が解け、私は地面に崩れ落ちた。ゆっくりとなんとか立ち上がろうとしていると、タイラーが意識を取り戻しつつあった。

「狼たちを助けて」と私は彼に告げた。だが、彼が私のことを心配しているの...

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