第88話

タイラー視点

ケイドは最寄りの群れの縄張りまで、ずっとアクセル全開で車を飛ばした。その土地に入るには、その地のアルファの許可が必要だった。だが、俺が自分の身分と現状を伝えると、彼はすぐに俺たちを通してくれた。

俺はテッサを病院へ運び込んだ。医師はすでに待機していた。俺は彼女を抱きかかえて処置室のベッドに寝かせた。スタッフたちは何度も俺を部屋から出そうとしたが、俺は断固としてその場を離れなかった。

彼らは彼女のバイタルを確認し、採血を行い、その他多くの検査を行った。その光景の多くは、直視するのが辛いものだった。彼女はあらゆる種類の機械に繋がれ、医師や看護師たちが何を言っているのか、...