第10章

四宮薫に問い詰められるまま、瑚夏はさらにいくつかの細部――当時、誰かにこっそり抱きかかえられて連れ去られたことまで話した。

「ねえ瑚夏ちゃん。なんかさ……連れ去られた件、単純じゃなくない?」

「パパがもう追わないって言ってるし、私も追わない。人は前を向かなきゃ」

四宮薫は口には出さなかった。けれど胸の奥で、もう決めていた。

――必ず調べる。

どこのどいつが瑚夏ちゃんを孤児院に落としたのか。

渡辺家に引き取られてから、渡辺おばあさんと渡辺直樹は瑚夏を大事にしてくれた。それでも――おばあさんが亡くなったとき、瑚夏ちゃんはまだ9歳。お兄さんは高校生で、構ってやれる時間なんてなかった。

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