第120章

「ブランド物なんて着ちゃって?」と、瑚夏は気だるげに言った。

「へえ、すごいね……」

「高級クラブって、ほかのお客に無理やり個室を明け渡させていい場所なの? それとも、あんたたちが着てるそのブランド服には、そういう権利でも付いてるわけ?」

今井莉子たちの顔色がさっと変わる。瑚夏はにこりと笑って、

「ねえ。そのブランド名って『恥知らず』?」

「それとも『無知』?」

「ぷっ……!」

四宮薫が吹き出した。

後ろからついてきた倉持光里はドア枠にもたれ、口の端をつり上げる。

――ほらね。

会員制の店を回してるボスが、一番嫌うタイプだ。

ちょっとした権威を盾に、好き放題しようとする...

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