第122章

「悪いけど、俺、彼女いるから」

結城朔夜の声は落ち着いていて、最初から最後まで抑揚らしい抑揚がなかった。

酒が入ってテンションの上がった四宮薫は、こういうときほど騒ぐ。

「それが何? あたし、複数――」

薫が続けようとした言葉を察して、瑚夏は慌てて立ち上がり、スマホをひったくった。

冗談は冗談でも、さすがに下品すぎる。

「酔ってるだけ。何か用?」瑚夏はとっさに取り繕う。

結城朔夜だって、薫が何を言いかけたかくらい、もう分かっているはずだ。

四宮薫は彼氏が途切れないタイプだが、どの恋も本人なりに真剣だったし、決して節操なく遊ぶような子じゃない。

結城朔夜に誤解されたくなかった...

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