第133章

眸の色がすっと翳り、結城朔夜の目立つ喉仏が、ごくり、と二度大きく上下した。腕の中の少女を抱く手が、無意識にきゅっと強まる。

――けれど次の瞬間、彼は彼女を放した。

これ以上抱きしめていたら、瑚夏はきっと、彼の身体の変化に気づいてしまう。

気まずいし、なにより失礼だ。

「俺がかわいそうなら、ベッド譲ってよ」

結城朔夜はからかうような口調で、掠れた声を落とした。

「調子いい」

瑚夏は男を睨み、パジャマを掴むと、そそくさと浴室へ逃げ込む。

ドアに背を預け、ふう、と小さく息を吐いた。

さっき結城朔夜に抱かれたせいで、どうしても――あの夜のことを思い出してしまった。

あれが、初めて...

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