第136章

「……寝たの?」美咲の声が、いきなり跳ね上がった。

小林さんが返す。

『同じ部屋で一晩過ごして、寝てないわけある?』

「……わかった」美咲はしょんぼりと電話を切った。

終わった。

遥さんが、結城さんと瑚夏様が一緒に寝たって知ったら――今日の撮影、どうなるの。

機嫌が悪いと芝居にも響くし、何より扱いが面倒になる。

……知らないふりでいい。うん。

ホテルからロケ地へ向かう。

美咲は遠目にも、ロケ地の外にファンが集まっているのが見えた。

「遥さん、今日、昨日より人が増えてますよ?」

椎名遥は目を凝らして確かめ、唇の端をふっと上げる。

撮影現場にファンが来るなんて、本人も意外...

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