第138章

「お客様の口座残高は、すでに全額を原路返金しております。恐れ入りますが、ただいまをもちましてお客様は当店のVIPではございません」

店内に入ってきた客が、ちらりとこちらを見た。

西川真理は自分を「顔のある人間」だと思っている。こんな扱い、耐えられるはずがない。

羞恥と苛立ちを滲ませ、声を荒らげる。

「そっちが一方的に契約解除して、消費者をいじめる気? 訴えるわよ?」

責任者は変わらず、淡々と。

「奥様。VIP規約に明記しております。店舗のイメージを損なうお客様につきましては、当店は一方的に契約を解除する権利を有します」

「どこがイメージ損なったっていうのよ」

小林美子が口...

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