第14章

瑚夏は年上たちにぐるりと囲まれていた。視線を巡らせただけでわかる。みんな、本気で彼女のことを好いている。

――今さら知った。

親しい人に囲まれるって、こんな感覚なんだ。

渡辺家では、渡辺おばあさんが亡くなってから、兄は学校で手いっぱい。瑚夏は放っておかれる子どもだった。

こういう、あたたかい家庭の空気を、彼女は知らない。

だから本当は、人が多い場が苦手だ。

けれど今、皆に取り囲まれて、あれこれ言われているうちに気づいた。彼女が嫌いだったのは「人が多いこと」じゃない。

嫌だったのは――人が違っただけだ。

椎名遥は、みんなが瑚夏に集まっていくのを見て、自分だけが取り残されるようで...

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