第146章

「名門令嬢・椎名遥、みずから孤児院へ! 慈善活動に称賛の声!」

瑚夏はスマホの画面を結城朔夜へ向けた。

結城朔夜はそれを一瞥し、瞳の色をわずかに落とす。

少しの沈黙のあと、淡々と言った。

「……彼女は、もう椎名家にいるべきじゃない」

瑚夏はこれまで椎名遥に敵意を抱いたことはなかった。けれど今は、自分の中にも同じ考えが芽生えているのを否定できない。

ただ――ママはきっと、手放したがらない。

あの人には、椎名遥への情がある。

「どうして?」瑚夏は何気なく尋ねた。

結城朔夜の声は、まるで当然のことを告げるかのように、淡々としていた。

「品性のない人間に、椎名家の名を名乗る資格は...

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