第149章
「ママ!」
瑚夏は身をひるがえして結城紗耶をかばい、そのまま脚を振り上げて工藤海を蹴り飛ばそうとした。
――だが、当たらない。
代わりに耳を裂くような「パンッ!」という銃声が響いた。
工藤海が悲鳴を上げ、握っていたナイフがからん、と床に落ちる。
瑚夏が振り返ると、いつの間にか結城朔夜が室内へ踏み込んでいた。背後には警察署長と、警官が二人。
工藤海はなおも悪あがきしようとしたが、警察が素早く取り押さえ、手錠をかける。
「叔母さん、怪我は?」
結城朔夜が問いかけた相手は瑚夏ではない。瑚夏なら自分で身を守れる――それを彼は知っている。
「私は大丈夫よ」
結城紗耶の無事を確かめて...
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