第161章

瑚夏がオフィスにいると、突然スマホが鳴った。

見慣れない番号だ。彼女はそのまま切る。

――数分後、また同じ番号から。

瑚夏は眉をひそめ、だいたい察しながら通話ボタンを押した。同時に録音もオンにする。

「瑚夏、父さんだ」

案の定、渡辺明山だった。

瑚夏は冷たく言う。

「……で、何?」

渡辺明山も回りくどいことは言わない。

「瑚夏、俺が十数年君を育てたんだ。功労がゼロってわけじゃないだろ? なのに今、君のせいで俺は破産寸前だ。見殺しにする気か?」

「自業自得でしょ。私はあなたのお金を奪ってない」

「ははははは!」

渡辺明山が大声で笑った。

「やっぱり冷血だな。俺たちの生...

ログインして続きを読む