第27章

小林美子は、その言葉を聞いた瞬間、固まった。

――自分の娘が、そんな下劣な真似をするはずがない。

「あなたはさっきから『私があの二人のクズを殴ったせいで渡辺家が潰れる』って言うけど、殴らなかったら潰れてたのは私でしょ?」

「……ありえない」

小林美子は首を横に振り続け、信じようとしない。

瑚夏は相手にしなかった。時間が頃合いだと見て、ずぶ濡れの渡辺芽衣の襟元を掴み、引き起こす。

そして――容赦なく放り投げた。

「っ……!」

渡辺芽衣はよろめきながら数歩、たたらを踏む。

髪は水を吸って束になり、額にべったり張りついたまま、ぽたぽたと雫を落としていた。綺麗なワンピースの胸元もぐ...

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