第30章

椎名遥は上の空のまま結城紗耶に付き合い、バラエティ番組を最後まで見届けると、自分の部屋へ戻った。

小林さんが間髪入れずに後を追って入ってくる。

椎名遥はソファへ体を投げ出した。機嫌は最悪だ。

小林さんがそっと近づく。

「遥さん、怒らないでください。お嬢様、もう本性が出はじめましたね。いつもああなんです。奥様だって、ずっとあの方の味方をするわけじゃありません」

「小林さん……私、すごく疲れた」

椎名遥の声は沈み、目元もどんよりしていた。

今夜だって、本当はあの番組なんて見たくなかった。苦手な芸能人が出ていたのに。

それでも結城紗耶に付き合って、笑っているふりをしなきゃいけなかっ...

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